自動車のN(何となく)V(Variableな)H(はなし)

自動車力学、振動騒音について一緒に学んで行けるようなブログです。

【第8回】後輪操舵で快適、安全

今回は後輪操舵のお話。

1.後輪操舵

後輪操舵(4WS)とは前輪の操舵に応じて後輪も操舵させましょうという構造のことだある。

一般的にはハンドルを切れば前輪のタイヤのみがハンドルの操舵角に応じて進行方向へ向いてくれる。

それを後輪も操舵させることで2つの利点が生まれる。

 

2.利便性向上

後輪操舵の第一メリットは利便性の向上だ。

後輪に前輪と逆相の操舵角をつけることでオーバーステアになり最小回転半径が

小さくなる。

つまり小回りが効くようになる。

その効果は後輪を5°操舵させると半径が約80cm小さくなるほどである。

ただ、このままでは高速走行時にスリップしやすくなってしまう。

だから高速走行時は後輪を同相に操舵し、アンダーステアにすることで車体を安定させる。

それなら後輪の角度を大きくしたらすごく利便性が向上するかというとそうでもない。

人間は違和感を感じる。

メーカーは20~60km/hの中速域では後輪操舵させず。それ以上の車速から徐々に角度をつけていくような制御をしているら

技術的には、真横に移動し、縦列駐車もお茶の子さいさいである。

ただ前後輪を90°転舵させるのはあまり現実的ではないかもしれないが。。。

しい。

3.緊急回避性能向上

2つ目のメリットは急ハンドルをした時に後輪を同相に転舵させることで車体を安定させることができることだ。

後輪を操舵させないと、車のお尻が大きく振れ、車体が安定せず、スリップしてしまうこともある。

そもそもでいうと適切な速度で走行し、急ハンドルしないことが1番いいのだが、

相手が横から飛び出してくることはこちらからは制御できないことなので、

万が一に備えるためにも必要な機能だと感じる。