自動車のN(何となく)V(Variableな)H(はなし)

自動車力学、振動騒音について一緒に学んで行けるようなブログです。

【第10回】架空の天井で乗り心地UP!?スカイフックダンパーの話

相反する”フラットな走り”と”なめらかな走り”を高次元で両立させるためにはサスペンションの制御が欠かせない。

サスペンション制御の役割はそれだけに留まらず、車高の最適化も担っている。具体的には乗員の数や積載量で車高を変えないこと、高速走行では低く、荒れた路面などでは高くするなどである。

そこで今回はサスペンション制御の基本ともなっているカーノップ氏が提案した

”スカイフック理論”について学んでいこう。

 

1.架空の天井でフラットな走り

スカイフック理論とは架空の天井と車両を仮想のダンパーでつなぎ、この減衰力を使って車両の上下運動を抑制しようという考え方である。

さらに仮想のダンパーの減衰力が無限大ならばフラットな走りが実現できる。

しかし、現実にはそんな仮想の天井や無限大のダンパーなどはないので、アクチュエータを使ってアクティブに制御することでこれを実現する。

 

a.通常のサスペンション

 通常のサスペンションは路面の凹凸に応じて車体も大きく上下動をする。

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b.スカイフック理論

架空の天井と減衰力無限大のスカイフックダンパーを組み合わせるとフラットな走りになる。

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c.アクティブ制御


理想のスカイフック理論をアクチュエータを制御することで実現。

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※画像の乱れはご愛嬌

 

2.まとめ

アクティブ制御は実現可能で究極の乗り心地を実現してくれそうです。

アウディA8にはさまざまなサスペンション制御が盛り込まれているらしいので

その極上の走りをいつか体感してみたと思う今日この頃です。