自動車のN(何となく)V(Variableな)H(はなし)

自動車力学、振動騒音について一緒に学んで行けるようなブログです。

【第7回】慣性特性でわかる!?メーカーさんの考え方

今週は慣性特性への理解を深めるて行きます。

そもそも慣性特性って?

慣性特性からなにがわかるの?

どうやって測定するの?

といったところにアプローチしていけたらと思います。

 

1.慣性特性って?

慣性特性とは次の3つの特性のことを総称しです。

まず"質量"、つまり重さです。

そして"重心位置"

最後に"慣性テンソル"です。

慣性テンソルとは"慣性主軸"と"主慣性モーメント"とのことで、慣性主軸とは物体が固有に持っている3つの直角に交わる軸で、物体独自のXYZ軸のようなイメージです。(いわゆるローカルな軸)

主慣性モーメントとは慣性主軸の各軸周りに対する周りにくさを表すものです。

慣性特性を調べることで、自動車メーカーのエンジン懸架の考え方などを調べることができたりします。

ちなみに、公園の遊具や、電動歯ブラシなど、身近なところで慣性特性は活かされているらしいです。

ちょっと親近感

2.慣性特性をどう活かすのか。それが問題だ。

さて慣性特性を調べてました。

ではこれ使ってなにができるの?

と思った方も多いと思います。

自動車では重心を知ることで運動性能に影響してきます。

まず重心位置を調べ、エンジンなどの重量物を重心の近くに配置する。

すると慣性モーメントが小さくなり、旋回性能が向上します。

一概に慣性モーメントが小さければいいというわけではないので、色々な車種の慣性特性を調べることでメーカーの考え方が分かります。

エンジンの懸架方式にも慣性特性は使われていて、

エンジンマウントをどこに配置するのか、

どこにおけばエンジンのロールに効果的か、その理想の位置におけるのか?(他の部品が邪魔するのならどっちをとるか)

など。

エンジンの慣性特性を調べることでメーカーの考え方が分かってきます。

考え方を知るには何を根拠に決めているのかをまず知らねばならないということですね。

3.測定方法

測定方法は主に以下の3種類です。


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(出展:特集「3分でわかる慣性特性のお話」 | 日本電計株式会社が運営する計測機器、試験機器の総合展示会

モード解析式での測定を行ったことがありますが、ハンマリングの精度と座標測定の正確さが求められます。

どの測定方法に関しても完璧でなく、

苦手なところはあるので、

何を測りたいのかで適切な方法を選ぶしかないですね。

 

以上、よろしくお願いします。