自動車のN(何となく)V(Variableな)H(はなし)

自動車力学、振動騒音について一緒に学んで行けるようなブログです。

【第3回】自動車のNVH ヒョコヒョコ

前回、官能トレーニングで感じた”ヒョコ”、”ブル”、”ゴツ”、”ビリ”の中から

ブルブル感についてまとめました。ブルブル感の正体はバネ下共振と言われるものなのですが、詳しくは下記の参照お願いします。

 

automotive-nvh.hatenadiary.com

 

 また、この擬音は周波数順になっており”ヒョコ”がもっとも周波数が低く、”ビリ”が高周波ということです。高周波と言っても25~30くらいですが。。。

 前回飛ばした”ヒョコ”を今回勉強して、低周波側はマスターです。

1.ヒョコヒョコはフワフワ感

 ヒョコヒョコについて調べるのは少し苦戦しました。というのもヒョコヒョコと表現している論文などが見つからなかった為です。ここで思ったのですが、ヒョコヒョコは官能トレーニング指導者とその周辺の独自すぎる表現なのでは?ということを。

結果、おそらくフワフワ感のことなのだろうという結果に着地しました。周波数帯も近いし。。。

 

2.フワフワ感の正体はバネ上の低周波振動

 例によって見出しでネタバレなのですが、フワフワ感と表現される低周波(1Hz付近)の振動はバネ上(コイルバネより上に乗っているボデーなど)の共振が原因です。

 

 このバネ上の共振による振動はPrimary Rideとも呼ばれており、主にサスをバネとしたボデーの剛体モード(バウンス、ロール、ピッチ)である為、乗員はボデーの揺れと感じます。個人的にはすごく車酔いしそうだと感じました。

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ボデーの剛体モード

 

3.PrimaryがあればSecondaryもある。

 バネ上低周波の振動がPrimary RideならSecondary Rideと呼ばれる振動もあります。

Secondary Rideはバネ上よりも高周波の振動で突き上げ感やブルブル感、ゴツゴツ感などを指します(参考文献によるとこれらの表現は一般的ではないようです)。乗員は振動やハーシュネス(突起乗り越し)を感じるようです。

 

 参考までに表作成しました。突き上げ感とゴツゴツ感については知見が不足していますので、()付けで表現してます。

 

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各周波数帯における乗り心地の表現とその共振源について

 

4.あとがき

 今回で”ヒョコ”、”ブル”の正体が判明下ので残り2回で”ゴツ”と”ビリ”について学んでいけたらと思います。”ごつ”ちょくちょく出てきているので検討はつくのですが、

”ビリ”は全く見かけないんですよね〜。これまた独自の表現なのかもです。

 今回の内容はほぼ下記参考文献の内容(しかも前半部分)なので、そっちを見た方がいいかも知れません。。。

 

参考文献

「自動車サスペンション制御と電動パワーステアリング制御に関する研究」

                           著者:竹原 伸

https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2532&item_no=1&attribute_id=14&file_no=1